人材育成を仕組み化するには?成長機会を「偶然」に任せない組織づくり
人が成長するきっかけは、研修だけではありません。良い上司との出会い、新しい仕事への挑戦、プロジェクトへの参加、社外の人との交流など、さまざまな経験が視野を広げるきっかけになります。
一方で、その機会が「誰と出会ったか」「どこで働いているか」「たまたま情報を知っていたか」に左右されれば、人によって成長機会に差が生まれます。
では、人材育成はどこまで仕組みにできるのでしょうか。ココロココが考えるのは、全員を同じように育てる仕組みではなく、成長したい人が機会を失わないための仕組みです。
成長機会を「偶然」に任せない
人材育成を個人の経験や熱意だけに任せると、良い上司に恵まれた人には多くの機会があり、そうでない人には届かないという差が生まれます。
施設によって挑戦できることが違ったり、本人が情報を知っているかどうかで参加できる機会が変わったりすることもあります。
ココロココが育成を仕組みにする目的は、全員に同じ経験をさせることではありません。入社後に必要な教育を受けられる、伴走してくれる人がいる、一定の経験を積める、学びたいときに学べる、挑戦したいときに入口がある。そうした最低限の「機会」と「クオリティ」を会社として担保することを大切にしています。
仕組みと「人の魅力」は両立できる
人が人を育てる以上、人材育成から属人性を完全になくす必要はないとココロココは考えています。
上司や先輩によって経験や価値観、関わり方は異なります。その人だから伝えられることや、その人との出会いだから生まれる成長もあります。すべてをマニュアル化すれば、そうした良さまで失われかねません。
問題なのは、誰と出会うかによって「成長する機会そのもの」に大きな差が生まれることです。
仕組みによって最低限の機会とクオリティを担保し、その先の関わり方には一人ひとりの個性を残す。「仕組みで最低限を担保して、人の魅力でそれ以上をつくる」というバランスを目指しています。
人を型にはめるのではなく、選べる機会を増やす
育成を仕組み化しようとすると、「誰が、いつ、何を教えるのか」「何回面談するのか」「どう評価するのか」と、細かなルールを決めたくなります。
しかし、仕組みを細かくしすぎると、運用すること自体が目的になってしまいます。
ココロココが重視しているのは、人がさまざまな経験や考え方に触れられる機会を増やすことです。他業種の会社を見学する、社外の人と交流する、委員会やプロジェクトに参加する、普段とは異なる役割を経験する。自分たちの常識とは違うものに触れることで、視野が広がることがあります。
最低限の機会は会社が用意する一方で、その先には余白を残す。会社が一つの成長の形を決めるのではなく、本人が感じ、選び、次の行動につなげられる環境をつくることが大切です。
育成は短期的な成果だけでは判断できない
人材育成を仕組みにするとき、難しいのが成果の捉え方です。
研修を一度実施したからといって、翌日から大きな変化が起こるとは限りません。今の経験が数年後に役職を持ったときに生きることもあれば、そのときには何も感じなかった学びが後になってつながることもあります。
そのため、仕組みをつくった時点で完成と考えるのではなく、改善しながら続けていくことが重要になります。
短期的な結果だけを見て「効果がない」と判断するのではなく、人が育つ時間も含めて考える。育成を仕組みにすることと同じくらい、その仕組みを長期的に続けられる会社であることも求められます。
育成の先にあるのは、介護の価値を高めること
ココロココが人材育成に取り組む目的は、社内の人材を育てることだけではありません。その先には、介護職のプロフェッショナルとしての価値を高めたいという考えがあります。
介護には、身体介護の技術だけでなく、認知症への理解、コミュニケーション、生活をデザインする力、その人の「したい」を引き出す力、ご家族との関係づくり、チームでサービスをつくる力など、多くの専門性があります。
そうした力を学び、経験し、磨き続けられる環境をつくる。一人ひとりのプロフェッショナル性が高まれば、提供できる介護の価値も高められます。
人が育ち、介護の価値が高まり、社会からの評価や待遇にもつながっていく。その先に「介護職って、かっこいいよね」と当たり前に言われる未来をつくることが、ココロココの目指すところです。
人材育成の仕組み化とは、人を同じ型にはめることではありません。
成長したいと思ったときに、環境の違いや偶然によって可能性を失わないよう、会社が機会を用意すること。そして、その機会をどう生かすかは本人に委ねること。
仕組みと人の力の両方を生かしながら、成長できる可能性を広げていくことが、人材育成を仕組みにする意味だとココロココは考えています。


