社員の主体性を高めるには?「見る世界」を広げる教育投資の考え方
「もっと主体的に考えてほしい」「経営的な視点を持ってほしい」。社員に対して、そう感じることはあるかもしれません。しかし、同じ視点を求める前に、考えておきたいことがあります。
経営者と社員では、日常で得られる経験や情報、学習機会が異なります。ココロココでは、社員に主体性を求めるのであれば、まず会社が「見る世界」を広げる機会をつくることが必要だと考えています。
主体性の差は「経験や学びの差」から生まれているかもしれない
経営者は日々、会社のお金や採用、人事について考え、新規事業に挑戦し、社外の経営者や金融機関、専門家とも接します。研修や視察へ行き、失敗も含めてさまざまな経験から学ぶ機会があります。
一方、社員に必ずしも同じだけの経験や情報があるとは限りません。それにもかかわらず、「もっと経営的に考えてほしい」と同じ視座を求めるのは難しい場合があります。
主体性がないと捉えるのではなく、主体的に考えられるだけの経験や学びを、会社が十分に提供できているかを考える。ココロココでは、そこを教育投資の出発点にしています。
介護会社だからこそ「人」への投資を経営の中心に置く
ココロココが教育を経営上の重要な投資と考える背景には、介護事業のサービスをつくるのが「人」だという考えがあります。
お客様と直接関わり、生活を支え、安心や楽しさをつくるのは職員です。一人ひとりが持つ知識や技術、人間力、考える力、コミュニケーション力がサービスの価値につながります。
だからこそ、人を磨くための教育は、福利厚生や単なる研修費ではありません。介護サービスそのものを磨くための商品開発であり、事業の競争力を高めるための経営投資と捉えています。
人が成長すればサービスが良くなり、お客様に選ばれる。会社が成長すれば、さらに人へ投資できる。ココロココが目指すのは、そうした循環です。
研修の数ではなく、経験の「量と種類」を増やす
教育というと座学の研修を思い浮かべやすいですが、ココロココでは、それだけを教育とは考えていません。
考え方や価値観を広げるマインドセット研修のほか、介護業界の中だけに閉じないための他産業研究ツアー、社内の委員会活動やプロジェクトへの参加などにも取り組んでいます。
普段とは違う場所へ行く。異なる業界を見る。普段会わない人と話す。プロジェクトを任され、自分で考えて実行する。こうした経験も教育の一部です。
実際に機会が増える中で、職員から新しいアイデアが出たり、自ら挑戦する人が増えたり、「もっと学びたい」「もっとやってみたい」という声が出てきています。教育投資で重視しているのは、社員が見る世界を広げ、経験の量と種類を増やすことです。
教育投資には、すぐに成果を求めない「余白」も必要
教育は、お金をかければすぐに成果が出るものではないとココロココでは考えています。もちろん会社のお金を使う以上、年間で必要な予算を算出し、経営として管理します。
一方で、一つひとつの学びに短期的な成果を求めすぎません。研修や視察で出張するときには、その土地を歩いたり、おいしいものを食べたり、仲間と話したりすることも含め、普段とは違う経験を大切にしています。
すべてを短期的な成果と結びつけるのではなく、経験の幅を広げ、その後は本人を信じる。予算という「算盤」は管理しながら、その範囲では少しゆるく、楽しく、自由に経験してもらう。それが、教育投資に必要な「余白」という考え方です。
教育で目指すのは「会社が求める人」をつくることではない
教育投資の目的は、全員を会社が決めた一つの人物像に近づけることではありません。価値観も得意なことも、目指す人生も一人ひとり違うからです。
ココロココが共通して大切にしているのは、自分なりの目的を持って主体的に取り組み、本人自身が楽しめることです。さまざまな人や仕事に出会い、新しいプロジェクトや異なる経験に触れることで、「自分は何にワクワクするのか」を知る機会を増やしていきたいと考えています。
今後は、こうした教育の仕組みを「COCOBASE」としてさらに体系化し、誰が運営しても社員がさまざまな経験と出会い、自分なりの成長につなげられる環境を目指します。
社員に「もっと主体的に」と求める前に、まず会社が社員の見る世界を広げる。研修だけではなく、出会いや挑戦、失敗も含めた経験へ投資し、一人ひとりが自分の「したい」を見つけられる環境をつくる。それが、ココロココの考える教育投資です。
